町内会の回覧で使える「お願い文」例文集｜感じよく伝わる書き方とマナー

町内会の回覧文は、「目的を明確に・言葉はやさしく・感謝を添える」が基本です。伝えたいことをシンプルにまとめ、読む人がすぐ理解できるように書くのがポイントです。

はじめに
町内会の回覧文で大切な三つの基本
すぐ使える町内会のお願い文テンプレート
目的別・お願い文の例文集
感じのよい言葉遣いのコツ
おわりに

はじめに

町内会や自治会の役員・班長になると、「お願いの回覧文」を作る機会が増えますよね。
しかし、「形式は？」「どのくらい丁寧に書けばいい？」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、誰でもすぐ使える町内会のお願い文の書き方と、目的別の実用例文を多数紹介します。
温かみのある伝え方をマスターして、地域コミュニケーションをよりスムーズにしましょう。

町内会の回覧文で大切な三つの基本

町内会の回覧文は、単なる連絡ではなく「地域のつながりをつくる大切なコミュニケーション」です。どんな内容であっても、次の三つの基本を意識することで、伝わりやすく、感じのよい文面になります。

一　目的を明確にする

最初の一文で「何のお願いか」をはっきりと伝えましょう。たとえば、「清掃活動のご案内です」「防災訓練へのご協力のお願いです」など、目的を一目で理解できるように書くことが大切です。最初に要点を示すことで、最後まで読んでもらいやすくなります。

二　読みやすい構成にする

回覧文は多くの人が短時間で目を通します。そのため、日時・場所・持ち物・対象などは段落で整理して記載すると、見やすく誤解がありません。長文を避け、必要な情報を項目ごとにまとめるのがコツです。

三　感謝と配慮を添える

どんなお願いも、最後に感謝の言葉を添えることで印象がぐっとやわらぎます。「ご協力ありがとうございます」「お忙しいところ恐縮ですが」といった一言があるだけで、読み手への思いやりが伝わります。

ポイント解説

「お願いです」よりも「ご協力いただけると助かります」という表現の方が、柔らかく受け取られます。読む人が「協力したい」と感じる言葉を選ぶことで、町内全体の雰囲気もより温かくなります。

すぐ使える町内会のお願い文テンプレート

ここでは、どんな内容の回覧にも応用できる基本テンプレートを紹介します。文頭・本文・締めの流れを覚えると、どんなテーマにも自然に対応できます。

いつも町内会活動にご協力いただき、ありがとうございます。
このたび、（目的）を実施することになりました。
つきましては、下記のとおりご協力をお願いいたします。

日時　〇月〇日（〇曜日）　〇時から〇時まで
場所　〇〇〇（できるだけ具体的に）
内容　〇〇について

お忙しいところ恐縮ですが、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

このテンプレートは、清掃活動・防災訓練・資源回収・集金など、あらゆる町内会の連絡に活用できます。内容を具体的にし、読んだ人が迷わず行動できるように仕上げましょう。

補足アドバイス

同じテンプレートでも、季節の挨拶や地域名を入れるとより親しみが生まれます。たとえば「朝晩の冷え込みが強くなってまいりました」「今年も残りわずかとなりましたね」など、季節感を添えると印象が柔らかくなります。

目的別・お願い文の例文集

ここからは、町内会でよく使うシーンごとに、すぐ使える例文を紹介します。
フォーマルな場面・親しみやすい場面の両方を想定しています。

① 清掃活動への参加をお願いする

地域の美化活動などの回覧文は、「感謝＋日時＋持ち物」を明確に伝えるのがポイントです。

いつも町内会活動にご協力いただきありがとうございます。
以下の日程で町内清掃を実施いたします。
ご多用のところ恐縮ですが、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。

日時：10月20日（日）午前9時〜10時30分
集合場所：北公園前（役員が受付を行います）
持ち物：軍手・ほうき・トングなど

ご無理のない範囲で構いませんので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

② 資源回収・ごみ分別のお願い

誤解を防ぐために「時間・場所・出し方」を明確に書きましょう。

平素より町内会の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
下記のとおり、資源回収を行います。お手数をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。

日時：10月15日（火）午前8時までに
場所：各班指定の回収所
対象品：新聞・雑誌・段ボール・アルミ缶など

分別ルールを守っていただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。

③ 防災訓練・避難訓練への参加依頼

防災関連の案内では、「家族での参加」を促す表現を入れるとより親しみやすくなります。

いつも町内会活動にご協力いただきありがとうございます。
このたび、地域防災の一環として「防災訓練」を実施いたします。
ご家族そろっての参加をお待ちしております。

日時：11月3日（日・祝）午前10時〜12時
場所：市立南小学校校庭
内容：避難経路確認、消火器使用体験など

安全な地域づくりのため、皆さまのご協力をお願いいたします。

④ 集金・会費納入のお願い

お金に関するお願いは、誤解を避けるために「金額・期日・渡し方」をはっきり記載します。

平素より町内会活動にご理解とご支援をいただき、ありがとうございます。
令和7年度の町内会費を下記の通り徴収いたします。

金額：1世帯あたり 3,000円
期日：10月末日まで
お渡し方法：各班長が集金に伺います。ご不在の場合は後日再訪いたします。

ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

⑤ 災害時連絡網の更新のお願い

防災に関する個人情報を扱う場合は、「目的の明記」と「丁寧な説明」を心がけましょう。

いつも町内会活動にご協力いただきありがとうございます。
災害発生時の迅速な連絡を目的として、連絡網の更新を行います。
お手数をおかけしますが、同封の用紙に必要事項をご記入のうえ、10月25日までにご提出ください。

ご協力をよろしくお願いいたします。

まとめ：
お願い文は「目的＋詳細＋感謝」の3要素で構成すれば、どんな内容でも失礼にならず、わかりやすく伝わります。

感じのよい言葉遣いのコツ

町内会の回覧文で大切なのは、「伝えること」ではなく「伝わること」です。
同じ内容でも、言葉の選び方ひとつで受け取る印象が大きく変わります。
ここでは、お願い文をより感じよくするための言い回しと、相手に配慮が伝わる表現のコツを紹介します。

丁寧な文にするための基本の考え方

町内会のお願い文では、命令や断定の表現を避け、「相手の自由を尊重する言葉」を選ぶことがポイントです。
「〜してください」よりも「〜いただけると助かります」「〜にご協力をお願いいたします」といった表現に変えるだけで、やわらかく感じのよい印象になります。

次の表は、よく使われる表現を「避けたい言い方」と「おすすめの言い方」に分けたものです。実際の文面を考えるときに参考にしてみてください。

避けたい表現	おすすめの表現
必ずご参加ください	ご都合のつく方はご参加ください
遅れないようにお願いします	時間通りのご参加にご協力ください
忘れずに提出してください	ご提出へのご協力をお願いいたします
必ずお越しください	お時間の許す方はお越しください
参加できない場合は連絡をください	ご欠席の場合はご一報いただけると助かります